11月20日に発売したPS2版「恋する乙女と守護の楯 The shield of AIGIS」の感想です。原作は昨年6月に発売したPC版「恋する乙女と守護の楯」で、シナリオ50%加筆修正、新ヒロイン2名追加、新OP・ED収録、主人公兼ヒロイン?の如月修史(山田妙子)に釘宮理恵起用など話題に事欠かなかったタイトルですが、実際プレイしてみて改めて「恋楯やっぱ面白い!」って思える良いコンシュマー化作品だったと思います。
まず本編の前にテーマソングの話から。

今回コンシュマー化するにあたってオープニングが奥井雅美が歌う「LOVE SHIELD」に変更。ただしPC版のOP曲「shield nine」(Rita)は録り直して「shield nine -energy flow ver.-」となっています。EDはこれまで3曲だったのが各ヒロイン1曲となり7曲に増えました。「shield nine -energy flow ver.-」を除く8曲は限定版の同梱特典としてついてくるボーカルCDに収録されています。また限定版にはその他設定資料集が収録されていますが、ラフ画などで新ヒロインの2人のネタバレ要素が含まれていたりするので実際に見るならある程度クリアしてからにすることをオススメします。



「LOVE SHIELD」を用いたオープニングがかなりカッコよくてですね、正直言うとPC版よりもこっちのほうが全然良いんじゃないだろうかいうくらいです。その他新たに追加されたED4曲もそれぞれ良い曲揃いで、もし今後購入するつもりで限定版を見かけることがあれば是非とも限定版を買っていただきたいと思います。




【以下バレ注意】











さて、本編なんですがPC版の既存ヒロイン5名(雪乃・鞠奈・蓮・有里・設子)についてはシナリオはPC版でのHシーンを省いて代わりのイベントを置き換えといった具合ですが、PC版をすでにプレイしてからだと鞠奈がちょっと声的に違和感を受けるかもしれません。やや毒気を抜かれたといいますか。こればっかりはなんともいえないのが正直なところですけども。あ、でも鞠奈の追加シナリオはなかなか度肝をぬかされたかもしれません。部屋の横にあんな空間あるのかよ、専用トイレに飽き足らずどんだけ理事長権限使ってるねん!と(笑)

追加シナリオは原作のシナリオ補完と考えても差支えが無いと思います。

また、妙子(修史)の声が釘宮理恵ということでしたが、ところどころ声の制御ができてないぞ〜というところがあったりもしましたが、概ねよかったと思います。急な声のアップテンポが出たときに「?」って思うかどうかで評価が分かれてくるかと思いますけども。それにしても「このバカ犬〜」ってセリフが出てくるようなキャラの声あててるのが有名な人が逆に「あんたは鞠奈の下僕よ〜」「犬は犬らしく〜」と言われる側の声をあててるというのが正直新鮮でした、えぇ。

そして新ヒロイン2名のシナリオ。

 まず若菜(CV田村ゆかり)のルートはこれは予想外な物語だったですよ。
若菜は生粋のお嬢様で、後に婚約者がいて卒業と同時に結婚するということがわかるのですが、それを知った修史(若菜のことは気にしていたが身分不相応と思っている)と、妙子(修史)が気になっていた若菜との間のすれ違いがおこってしまうというのが中盤までの展開。そして相思相愛になったあとはてっきりもっと戦うのかと思ったら、生きるか死ぬかのような死闘のようなことは無くて「娘にへんな虫がつかないように」という若菜の両親からの依頼で有里と笹塚が2人の仲を邪魔しようとしてなんかコントみたいなことになってたりと、オマケにラストは2人きりになりたくて教会に立てこもったら、実は言うと娘が心配で度々学園に侵入していた若菜の親父さんが車で扉にタックル(アクセルとブレーキ間違えた)とかなにこのドリフwという腹抱えて笑いたくなる内容でした。ホントおもしろかった。

 もう一人、りお(CV矢作紗友里)のほうですがアイギスのサポートメンバー(エージェントへの支援役)という仕事を若いながらもこなしているものの、エージェントのことをあまり好ましく思っていない彼女が妙子(修史)と触れ合うにしたがって少しずつ考えをあらためていきます。
 しかし短期留学というかたちで正式にテレジアに居ることとなってしばらくして、りおが襲われるという事件が発生し「危ないからもう来るな」という修史と「なんで守ってくれないんだろう」と心の中で思うりおとのあいだでのわだかまりがどう解けるかというのが中盤までのお話。
 終盤、ラスボスが双子シスターでりおを守り抜くのですが、ラストの妙子はメチャクチャカッコイイです。これは必見なのであえて書きません!



いやぁもうホントに満足できました。私自身、コンシュマーのギャルゲなんてのは「かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜」以来で、PC版のモノに慣れていたのでPS2でやるのってどんなのだろうと思ってましたが原作やってる人でもやってない人でも楽しめると思います。ただ、ディスクの読み込みの関係でボタン押してからの声が出るまでのレスポンスがちょっとよろしくないところが度々。気にする人もいるかもしれません。

全部クリアすると「エクストラ」という項目がタイトルメニューに追加されてラフ画などがみれたりするのは原作にもありましたがこれもなかなか面白いですので、全部クリアして見てみてください。

【評価】97 / 100

妙子の声の微妙な不安定さと鞠奈の声色の毒気のややぬけた具合とボイス再生のレスポンスのズレが気になりましたので少しだけ点数落としましたが・・・まぁぶっちゃけ120点でいいんですけどね(ォィ