コミックがある程度売れて、アニメ化になると放映期間中はそれなりに既刊が売れるものです。しかしアニメにはクール毎に終わりというものがあり、それとともに原作コミックも放映前と同様に売りにくくなります。

当たり前のことですが、コミックを売る側にとって「アニメ化決定」「アニメ放映中」というフレーズがとても大きな「売り文句」になります。


たとえばこんな感じ。



●アニメ化決定!始まる前に原作を先読みしちゃおう!

●アニメ放映中!見て気になったら原作も買っちゃえ!

●アニメ最終回!DVD買うのもいいけれど、DVD1巻=原作10巻分ってことを考えたら原作まとめて買ったほうがお得だよ!買っちゃえ!

●アニメは終わっちゃったけど、まだまだ勢いは止まらないっ!


典型的なテンプレですけど、まぁアニメ化すると大体こんな感じの流れで売り文句が並びます。後者になるほどやや無茶のある言葉になってしまってますがw

ただ、こういった売り文句も実際売り上げの足しになるかといえばなりますが微々たるものです。なぜなら、アニメ化作品をお客様にPOPでアピールして買ってもらえるのはアニメ放映開始前までなのです。そして、放映開始後は、アニメの話題度と出来不出来によって売り上げが完全に支配されるといっても過言ではありません。

アニメ化作品の売り上げのターニングポイント、それは

アニメ第1話放映

で、8割くらいはこれで決まります。
あとの2割はその後の継続的な評価です。

なので、書店側にとっても視聴者の皆さん同様に第1話の放映というのは非常に重要な位置を占めています。なぜ重要か・・・

それはその頃には既にフェアを展開する作品が決まっていてまとめて発注・入荷して店頭でアピールが始まっているからです。もし1話でコケた作品を大々的にアピールしていた場合のその後の売れ行きは言わずもがな・・・「原作はおもしろいよ」とPOPをつけたところで泣きっ面に蜂な状態にorz


今期だと・・・

■みなみけ
前評判より出来が高く、「童夢やるじゃん」と高評価。うちのお店は担当が予測できてなくて1話終了後から品切れ続く。

■バンブーブレード
あんこ入り☆パスタライスのファーストインパクトは絶大。コンスタントに売れ続けてます。

■キミキス
主人公の2分割というイスラフェルも真っ青な設定に意見が真っ二つ。直後に発売されたチャンピオンREDいちご連載の単行本に期待したが思ったほど売れず。ただ、摩央姉のインパクトは強かったらしく、白泉社のコミック1巻は即売れ。

■もやしもん
売れ方は夏アニメの「おお振り」みたいな売れ方なのだけれども、アニメを見ている人が6巻の限定版付属のぬいぐるみを見て6巻の予約だけをしていく人が結構多い。予約数自体も予想以上に伸びてます。

■スケッチブック
個人的にはオススメ、担当もアニメ化で大分押してるのだけれどもなかなか売れてくれない。ARIAの製作と同じところだからと、こちらが期待しすぎたのでしょうか・・・

■ef−a tale of memories
展開しようと思ったら、名古屋未放映・・・


そう、書きながら思い出した。
その地域によって放映されなければアニメ化しても売れない場合が多いということも、当たり前のことだけれども付け足しておきます。
(「ニコニコで見れる」とかそういうのは除いて)


結局のところアニメの出来を予想するというのは不可能であり、書店側は原作の評判とコミック担当の独断と偏見で展開具合を決めてる部分が大きいので、うまくいったときは喜びも一入。アニメ化するからといって「わーい、売れるぞ」と手放しで喜べなかったりする今日この頃です。


<おまけ>
売場で見るアニメの勢いベスト3

1位 みなみけ
2位 BAMBOO BLADE
3位 もやしもん




これに関連して次回より「放映終了後も売れ続けるコミック」「アニメ化してないがよく売れるコミック」を連載でお伝えしていきたいと思います。

近日公開。